近江の織り体験 二日目

二日目が始まりました。
初日に巻き終わらなかったチーズを従業員の方がすべて巻いておいて下さいました。
他の仕事もお忙しいのに、今日から整経の作業を体験させてあげようと協力して下さって本当に
有難いと思い、今日一日頑張ろう!と疲れも何所かへ行ってしまった様でした。
巻いて頂いた経糸を手前の糸に触れない様に、奥の棒にさして手前のピンクの糸と結ぶ作業です。
写真で見えるピンクの糸は、昨日整経された糸です。
100本を超える糸は2枚目写真の矢印先まで行き三枚目の写真筬(おさ)までたどり着くのです。

やっと終わったのは、お昼休憩をはさんで夕方でした。

それから、筬(おさ)通しという作業をしてビームと言われるドラムに経糸を巻いて行きます。
3枚目の写真と同じような柵?の様な物、筬(おさ)に糸を通すのですがとても細かい作業で2本すつ通してと言われて作業したのですが、自分では何度も確認して通したはずなのに間違いがあった様で全て外して最初から従業員の方が通して下さいました。
ドラムに巻く作業は難しくて全く出来ませんでした。

そしてドラムに巻き終わったのは夜の10時を過ぎていました。
勿論従業員の方も社長さんも、何故この作業を行うのか・ここで手を抜いてしまうと生地にどの様な影響が出るのかをひとつひとつ丁寧に説明をして下さりながら傍に居て下さいました。
体はへとへとでしたが普通では体験する事の出来ない勉強をさせて頂き、経糸を張るまでがどれほど大変な事なのか良く分かりました。
川島テキスタイルスクールに通って先生と近江の織りの企画をさせて頂いてる話をしましたら、「夢の様な話ですね。無知は強い!そんな事普通頼めないですよ・・・。一日体験しても、まだ諦めないのか・・。と思っていらっしゃるんじゃないですか?・・・」と笑っておられましたが、先生や社長さんのおっしゃる通り、織り始めるまでに経糸を綜絖(そうこう)に通して結ぶ作業で職人さんでも丸1日かかるとの事、横糸もカセから織れる状態にする作業も残っています。普通に原価計算しても恐ろしい額になる。と言う事は理解出来ました。
リネンの糸も、通常の生地の切り売り屋さんで使われている糸は、落ち綿というもので作られた糸だそうで、繊維長の長いロングファイバーと呼ばれる繊維を使用して作られた糸は服飾向けに使われるそうです。
良くふわっと柔らかいリネン生地とおっしゃいますが、それは落ち綿ですしね。と聞いて驚きました。普通に考えて1000円2000円代で販売する事は無理なんですよ。でも、用途に応じて生地を選べば良いのですから、落ち綿の糸で織られた生地が悪いといった話ではないのですよ。との事
なるほど納得出来ました。

でも、と言う事は経糸と上手に付き合える(横糸に合う色で経糸を一色で・・)生地を考えれば可能なの?と少し光が見えた気がしたのですが・・・。
最後の2枚の写真を見て頂くと端の糸が白からオレンジに変わっているのが分かると思います。
その部分が生地の耳になる部分で、シャトル織機ならではのものです。

社長さんが「せっかくですから、白ではなくお好きな色にされますか?」との事で百色以上ある糸の中から選ばせてもらいました。わざわざ白の糸を交換して下さり、利益度外視の物づくりに対する社長さんの思いに答えられる日が来るのでしょうか・・・。
取りあえず悩んでいても仕方ないので、作り手も買い手も気持ち良く、納得出来る物を提供出来る様に勉強を続ける事しかないですよね。

fabric mart  栗栖 陽子

  Shop-Bell   生地・布